思考のスイッチをパチンと
最低でも、7時間は寝ないと翌日は使い物にならない。
理想は8時間。
なんてコスパの悪い身体なのか。
睡眠時間が3時間だけでもシャキッと起きてパワフルに働き、「ショートスリーパーなんですよね!はは!」とか言って爽やかに笑ってみたい。
なぜ、こんなに寝ないとダメなのか?
最近真剣に考えた結果、「頭が疲れているから」という結論に至った。
非常に頭が悪そうな答えだが、文字通り、私の脳は常にフル稼働なのである。
朝起きてからまず、
「家を出るまでにすること」のシュミレーションを脳内で行う。何分間でお風呂に入り、何分間で朝御飯を食べ、身支度をし……
それらの行為の最中には、目につくものから連想ゲームを脳内で行なっている。
「たまたま目に入った、この間観た映画のパンフレット」→「これは面白かったな……」→「新宿シアトルっていうのも良かったな」→「今シアトルでやっている作品って何だろ」→検索
(展開パターンは無数にある)
と、いう具合に。
仕事中は勿論、仕事のことが脳内の大部分を占めている訳だが、たまに突然、先日会った友達と交わした会話がフラッシュバックしたり、彼氏のムカつく言動を思い起こして再度腹を立てたりすることがしばしばある。
そして退勤して、予定の無い日は家事をしながら、部長に忖度する課長を思い出して呆れたり、忘年会のレクリエーションを考えなければいけないことにげんなりしたり、明日に届く通販の洋服に思いを馳せて、コーディネートを考えてルンルンしたりする。
布団に入ってからも、あれこれ考えている。だから、なかなか寝付けない。
そうこうしていつのまにか寝てはいるのだけれど。
別に生産性のあることを考えてはいない。むしろ、ゼロに等しい。
嫌なことは無論だが、楽しいことでも考え続けていると兎にも角にも疲れる。
でも、止まらない。
まるで流しそうめんである。
私の思考の数々は、次々と彗星の如く流れてくるそうめんなのである。
だから、欲しい。
思考のスイッチが欲しい。
せめて寝る前に、あとはネガティブなことを考えそうになった時に、パチンと切る思考のスイッチ。
「うるせーもう考えねーぞ」と宣言してから、パチンと盛大に音を立てて切ってやるのだ。